今日はオススメの子伸ばし本を紹介します。
こちらです。
何がそんなに良かったのか?
これまでの子育て本の多くは、「大きなプラスを生み出す」のための本でした。
例えば昔なら、「東大など高学歴」「大会社に就職」など。
最近でいえば「AI時代でもうまくいく」「世界に通用する」という感じです。
でも今回の子育て本は違います。
今日紹介するのは「大きなマイナスを避ける」ための本です。
そしてこれは、全ての親の望みではないでしょうか?
「別にエリートになんて、ならなくていい。」
「ただ他の人に迷惑をかけることなく、健やかに育ってほしい。」
そんな気持ちの親も多いはずです。
そして今回の本は、まさにそのための本です。
「子育てにおいて、Xをしろ!」ではなく。
「Yはよくない。それは非行につながる親の特徴だ。代わりにXはどう?」というスタンスです。
例えば、引用して要約したものは、こんな感じです。
非行をした少年少女の親によく当てはまる特徴の1つ。
「夫婦の子育ての方針が一致していなかった。」価値観が違うので、一致しないのは当たり前。
大切なのは話合うこと。話合わずに夫婦仲が悪くなり家庭内がギスギスする。
ひどい場合は子どもに配偶者の悪口を言う。その空気感が子どもの心を追いつめる。
夫婦の子育ての方針を話し合い続けることが大切。
この本にグッと引き込まれる理由。
それは非行をした少年少女(とその保護者)にフォーカスを当てているからです。
著者の出口さんが犯罪心理学者として、1万人以上の犯罪者、非行少年少女の心理分析を行ってきた経験から、書かれてあります。
各章の冒頭は、少年少女がどんな犯罪や非行をしたか、具体的な事例から始まります。
一気にリアリティのある話になり、嫌でも知りたくなります。
例えば6章の、「気をつけて!」が共感性を破壊する。
その冒頭は、
マイのケース
罪状(詐欺)
複数の高齢者に対し架空の出資を促し、およそ500万円を受け取った。
そして具体的なエピソードが2~3ページ続きます。
マイが幼い頃、両親がレストランを始めた。家族経営の…
(中略)
…マイは逮捕されることになった。
このような具体的エピソードの後、解説が始まります。
その中で、なぜマイはそんな罪を犯す人になったのか?
子育ての部分にフォーカスをあて、説明してくれます。
その中で親は、何をすべきでないか?
代わりにどうすれば良かったのか?
たくさん明らかになります。
例えばそのうちの1つ、以下は僕がメモしたものです。
子どもの言い訳を否定しない。
まず全部聞いて吐き出させる。
これは「全面的に受け入れる」とは違う。
いったん意見を認める。
とことん言い訳していくうちに、心が落ち着いてきて、自分で矛盾を感じるようになる。
自分で気付くことで前進できる。
このような気付きを、たくさん与えてくれます。
さらに「大きなプラスを生み出す」ための子育て本でも見かける、教育心理学に基づいた教育法。
それらも、一通り知ることができます。
例えば、引用して要約します。
学習性無力感、セリグマンの実験。
犬を2グループに分け、電気ショックが流れる部屋に入れる。
Aグループはスイッチを押せば電気ショックを止められる。
Bグループは何をしても止まらない。その後、両グループを別の電気ショックが流れる部屋に。
壁を飛び越えれば逃げられる部屋。Aグループの犬は逃げられた。
Bグループの犬は逃げられなかった。
「何をしてもムダ」と諦めている状態だったから。何をしても怒られる否定される状況は、学習性無力感を生む。
避けるには、よく観察しプロセスを褒める。
少しでも行動していたら褒める。
また近年、より注目されている「レジリエンス」についても、シッカリ言及されています。
逆境や困難を乗り越える力「レジリエンス」を育てるには、子どもから経験泥棒をしないこと。
子どもを信じて見守ること。
失敗したときによりそうこと。でもよりそうときに、親も一緒に落ち込んではダメ。
原因究明も必要ない。
子には、自分で解決法を見つける力がある。唯一必要なのは、
「失敗は誰にでもある。」
「うまくいかない方法がわかったから、うまくいく方法に近付いたね。」
「次は今よりよくなる。」希望を与えること。
以上のように、今回紹介する本は。
子育てにおいて「大きなマイナスを避ける」方法を、具体的に教えてくれます。
バカ売れで、評判良いのも納得です。
読んでおいてよかったです。
コメント